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2014年4月から医療報酬が改定されました。


医療報酬は2年に1回その時の必要な医療体制、物価や賃金水準などを
配慮して決められます。

今年はその改定の年で病院にかかるときの基本料金である
初・再診料が値上げになりました。

その一方で薬剤服用歴管理指導料(お薬手帳の記載料金)
が若干の違いが出るようになりました。

お薬手帳を持っていないと1回20円の節約になります。


お薬手帳は、医療機関で処方された薬の情報を記録し、
服用経歴を管理するために作られた手のひらサイズの手帳です。
(最近はスマホアプリも有ります。)

このお薬手帳はもともと一部の医療機関や調剤薬局がサービスで始めましたが、
薬の飲み合わせチエック等の効果が期待されて2000年からサービスが始まりました。

薬を調剤してもらう時には、薬代の他に、
調剤技術料、薬学管理料などの薬局に支払う報酬が有ります。

お薬手帳に情報を書き込むことで得られる報酬は
薬剤服用歴管理指導料に含まれており、

記載情報は
調剤した日、薬の名称、用法、用量、服用時に注意することなど
が書かれており、
この情報をお薬手帳に記載すると410円かかります。
70歳未満の方は3割負担なので130円を自己負担します。

今回の改正でお薬手帳を必要としない患者様の
薬剤服用歴管理指導料は、1回あたり340円に引き下げられました。
70歳未満の人の自己負担額は110円なので1回あたり20円安くなります。

なのでお薬手帳の記載は要りません!
と薬局にいえば、20円安くなります。

お薬手帳の役割

今回の改正では、医療費削減のために
お薬手帳への情報提供は必ずしも行わなくても良くなりました。

しかし国民の健康を守るという観点からすると非常に残念です。

薬は正しく服用しないと効果が現れない場合があり、
また間違った組み合わせで飲むと、大事故の原因にもなります。


そんな間違いをなくす重大なアイテムがお薬手帳だと思います。
薬局ではお薬手帳がなくても、
薬の名称、飲み方や使い方、1回の用量、副作用などが書かれた
薬剤情報提供書が渡されます。

この薬剤情報提供書を見れば、渡された薬の内容は解りますが、
他の医療機関にかかっていて
薬を服用している場合の薬の飲み合わせまではチェック出来ません

お薬手帳は過去に処方された薬の情報を1冊にまとめてあるので
手帳を見れば、他の医療機関で処方された薬との飲み合わせは大丈夫か?
以前に飲んでいた薬に副作用などは出なかったのか?
等の大切な情報が解ります。

医療機関は1つだけしかかかっていないという人も
旅行先で体調を崩して現地の医療機関にかかった場合でも
お薬手帳を見せれば、今まで飲んでいた薬がわかるので
適切な処置がしやすくなります。

結局お薬手帳は不要なの?


家計の節約のためのお薬手帳を持たない!
という人もいると思いますが、
薬の飲み合わせなどので重大な事故になる可能性もあるので
できるだけお薬手帳を持つことをオススメします。


特に持病があって定期的に薬を処方されている方は自分の身を守るために
必ずお薬手帳を持ってください。

またたまに医療機関ごとにお薬手帳を持っているという人もいますが、
すべての過去の経歴を見れるのがお薬手帳の役割なので
医療機関ごとに分けるのではなく1冊にまとめるべきです